9月19日(月・祝)第514回例会のご案内 (3)

9月例会の出演者の一人、山本美樹子さん(ヴァイオリン)から頂いたメッセージは7月18日に紹介しましたが、今回はコルンゴルトについて理解を深めてもらうためのミニ解説です。


コルンゴルト(1897-1957)はモラヴィア地方生まれで、父は保守派(ブラームス派)の音楽評論家でありモーツァルトの信奉者でした。新旧交錯する時代にあって、その父の存在は息子の音楽基盤形成に少なからず影響を与えました。息子コルンゴルトは生来の鋭敏な感性で新しい音楽に対しても柔軟な姿勢をとり、後期ロマン主義とモダンの境界的な独自様式を編み出していくことになるのです。


1907年にはウィーンで本格的に作曲を学び始め、翌年《雪だるま》の作曲に着手。これは父の書いたパントマイム喜劇のためのピアノ音楽で、同年に完成/初演されて好評を得ると、すぐにオーケストラ用に編曲してこれまた大成功を収めました。弱冠11歳にして、スター作曲家への道を歩み出したのです。構成・形式への習熟、豊かな想像力、リズムの多様性、和声の新たな可能性……マーラー、シュトラウス、プッチーニらによる「近年最も重要な天才音楽家」という称賛や、「同じような現象に出会うには、遥か昔の若きモーツァルトに遡らねばならない。」という当時の批評が、衝撃の大きさを物語っています。


登場人物たちが弾き歌い、舞い、おどける。後年の映画音楽を彷彿とさせる、シーンごとの的確でユーモラスな情景描写、心地よい旋律美に誰しもが魅了され、想像力を掻き立てられます。


そして後年、アメリカへ渡り「映画音楽の巨匠」といわれる存在となりました。

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